千葉県のある圃場(田んぼ)は、一見、昔と変わらない風景ですが、現地に行って実際の話を聞くととても農業とは言えず工場という感じでした。
【水の自動管理】
田んぼの水回りは、以前は毎日お百姓さんが見回りをして、水量の調整をしていました。
ところが、今回訪問した田んぼのまわりには、水深センサや湿度センサが設置されています。田んぼの下には、田んぼ全体に水を供給するパイプが埋め込まれています。センサで水分の不足を検出した場合、自動的にパイプから水が供給されます。
【田植えをしない稲作】
稲作では苗を植えて田植えをするのが一般的ですが、水田に直接種をまく直播(じかまき、ちょくはん)をして田植えを省略する栽培法も活用されています。
直播するために、籾種(もみだね)に効果が長持ちする肥料をコーティングします。直播栽培は気候の影響を受けやすいので、水の自動管理ができる環境が役に立ちます。
【種まき、刈り取り時期、収量予測】
播種(種まき)の時期により、刈り取り時期や収量が変わります。今でも占いに近い方法で予測をしている農家もあります。
収量の変化に一番影響を与えるのは気温や雨量などの気候です。日本には、気象庁の地域気象観測システム(アメダス)で日本全土の気象情報が30年以上蓄積されています。このビッグデータをAIで処理することで、気象のシミュレーションができ、種まき、刈り取り時期、収量予測もできるようになってきました。
【おいしいお米の作り方】
毎年、一般財団法人日本穀物検定協会から、お米の食味ランキングが発表されています。一番高いランクが特Aですが、常連の産地が特Aにならない事象も生じています。これは気候の温暖化も影響しているようです。おいしいお米を作るには、寒暖差も大事だそうで、こういう制御もICTの活用でできるようになれば、ますます日本のお米の価値が上がるでしょう。
丹波の黒豆